斎火の輪郭が揺らいで
朱も紅も燃して耀くものへ
渾天にフィラメント
かつて灰だった銀の翅
緑髪に色を差す誉れ
花々の砦にて
金、銀、清ら
十六夜の尾を引いて
四肢ある瑩徹
変若つ雨の正体
( 通り魔の審神者 )

真白を呼ぶ洞
割れた暗やみを知っているの
箱舟に乗せる花を束ねる
耳朶に吊るす白いまじない
静謐は常闇の音
其の影に火は蕾む
陽を塞いて星を落とす
みずうみに逆さの桜花
爪の先ほどの畏怖はきんいろ
ゆうやみに包まる雪片よ
( 雪暗の審神者 )

レースカーテンを通せばすべて春
裾を縢る薄い雪
リボンがあれば名前はいらない

香水瓶が砕ければ流星雨
夜の尾を撫でている
神さまが眠たいうちに手を繋いで

檸檬の月を踏みしだく
こころとは胸に突き立てた油性マジック
幸いになる前のわたしを飲み干して

花筏のごとくたなびく静音
ブルームーンの空晶を舐める
錆びた名前をどこに埋めよう

ゼリー状の畏怖
朝陽を磔にしておくところ
鼻先の七つ星に噛みつきたいよ

瑠璃を裂く、玻璃を刺す
まぶたの舟に満月を落として
あなたがくれる滅びの糖度

ストロベリ・ムーンの火種
この胸がひかるから分かるでしょう
プラネタリウムの迷い鳥
レースの向こうのまばたきが言う
海を刺繍する頬
電光石火のアイラブユー
抱きしめられるだけの四季をちょうだい

まつ毛に積もる星明かりを払って
くちびるはため息のヴェール越し
みなものひかりが向日葵畑みたい

わたしを覆うぬるい月
ベッドルームに海の檻
咲けないように歯を立てて
夜ごと胸に殖える呪文
きみの無音に取り込んでほしい

吹雪いても凍て付いても恒星でいる
慈愛で色を灯していくきみよ
名付けられた涙を放すから
見えなくてもひかるから愛
透明のリボンでだけ繋いでいて
うるさいくらいの彩度で抱きしめて
光彩が未来まで手繰り寄せるの
( LOVE藤波透子 )

バースデイケーキに乗せる観覧車
ベガ・アルタイル・コンフェッティ
ルーフトップ寸景
色聴に花を見る
斧琴菊のコーヒー染み
生まれ変わったら飛行船
終夜アイスクリームを掘り進む
宇宙にもプラネタリウムを
( ノルツさんお誕生日おめでとう2019 )

桜の波にリボンを浮かべて
絡まりながら膨らむつぼみ
幾百の街明かりが雪崩れて
やがて冬は二人の名になる
夕ぐれが君の髪に沈んでも
芽吹いた胸の底を撫でてよ
望んだ恋がとめどなく降る
( 堺屋ユメノ/ジューンブライドに寄せて
         - Tokyo 7th シスターズ )

翻り燃ゆ流星
常しえのブルームーン
流砂には花占いの残骸
電気水母と2段アイス
お化けのしっぽはリボンなの
どうしても虹は粉々
るすばんのあくまちゃん
( ひとりでおどる )

群れ星のたまご
羽ある朝焼け
リボンの端っこみたいなはじまり
星形の空洞をその閃光で充たして
sparkle sparkle star sister
すべての色彩を統べるため
あなたが歌うと星図が色付く
( your little eden / 七咲ニコル - Tokyo 7th シスターズ )

羽にも水瓶にももう戻れない
くす玉みたいなα星
味覚以外の全てに甘いキャンディ
光ごと侵されて正しい色が分からない
心臓が招くからだよ
( our sweet raspberry pie )

ひかりの裏側まで届く
雨音は羽ばたきより少し低い
深いほど青くなるエーテル
半分はまだ火になれない
マグカップで月は溺れない
( 月島蛍 / ハイキュー‼︎ )

キャンディクローで虹を引き摺れ
今日の火花はひなぎくだったね
金貨と綿羽
飲み込んだまま忘れてしまった名前
怪獣のためのやわらかい三日月
( 早坂美玲 / アイドルマスターシンデレラガールズ )

「無色すら持たずに生きてるの」
reversible brightness
彗星を連れて走ってく
( 大和亜季 / アイドルマスターシンデレラガールズ )

つぼみが丘の一等星
ソーダファウンテンに潜水艦
やさしくない日の甘い味
flowerd scar
ラメ入りの憂うつ
花の名前の化石
泣いてるの、咲いてるの
perfect dear
「とげは未だ薄い恋」
なんてかわいいしあわせの音
( 臼田スミレ生誕祭 / Tokyo 7th シスターズ )

幸福の擬人化
照らすために息をしている
この傷も結び目
コットンとべっこう飴のライオン
耳もとのオービット
あなたのために桜が孵るよ
すべての雨から守ってあげる
極彩のかま首
( 烏養繋心生誕祭 / ハイキュー!! )

わたしは檻、透明の、鍵のない
101.5回目のアナグラム
きみの手にちょうどいい愛しかない
1782mmのサテンリボン
春とはおまえの呼び名だろう
海底の盲目に陽を満たした
わたしの愛をいちばん光らせておくから
四季を溶かして会いにきて
雨のように窒息させる
フェーヴのための歯が生えた
玉座よりもやわらかい繭
抱えきれなかったのが海の由来
がんじがらめの巣をほどく
わたしを春に結う金糸
惑溺のお手本
深い深い春
きみがいないと何もすきじゃない
いつも春まで辿り着けない
冬の底に花が降る
泥の海でも光ったでしょう
今朝平らげた幸福の切れ端
シーラカンスの調教師
きみにだけ効かない毒だよ
粉々の火になりたい
朝焼けみたいに呪ってほしい
愛なら百点満点だった
金色はまじないの色
「神様ならさっき踏んじゃったよ」
心を嵌める台座
醜くしててね
陽が睡るただひとつの場所
胸の砂地に招いてほしい
触れると火になる類の永遠
私だけが金色になれる
栄誉も光も作ってあげる
似合いの連りが見つからない
36℃の湖だから
骨にもあなたの名は付きますか
恋でも愛でも焼け野が原
粒子ひとつにキスするみたい
愛してるから輝かないで
神さまよりもきみを愛してあげられる
どうかわたしを火に喩えて
おまえにだけは透けていられる
( ukaIkalism )

日なたに匂いなんてない
正夢の方角
「キャラメルに補えない欠けがあるとおもう?」
まばたきの数だけ幸福が笑うよ
翼は手のひらたちの名前
( south wing "sunny spot"
 / 佐伯ヒナ - Tokyo 7th シスターズ )

わたしを羽と呼ぶ理由
my super sweetheart
「花は一秒間に何回瞬くと思う?」
すべての0から守ってあげる
high mind shining
( Judy Hopps / ZOOTOPIA )

呼び名が身体の中心になる
見慣れた余白を囲うため
忘失に結ばれている
わたしがあなたでない証明
2000ピースの永遠たち
( a name )

水際にて希みを浮かべる
発泡していくモノクローム
エデン十六番地の花売り
「目のなかのとげとげは全部呪文」
骨だけがいつまでも透き通らない
( a holey fairy tale )

心よりまるいものをみせて
ぼくの鍵穴は鳥の形をしてる
星座の番い目が錆びるみたいに
まるで絵の具のような砂漠
深海魚と香水瓶
( a highly toxic blessing )

シュモクザメにリボンのめかくし
羊水は翡翠の溶液
いつかやさしい火星へおいで
冬を降らせて春を潰した
君の淡い牙だけが僕の平穏
( heaven in the air )

ポラリスを引き摺った
泥のアウロラ
もっと卑しく光ってみせろ
歌を折り畳む術
可燃の痛点
( impurity in the wild )

火をくるむ花
石ころが透きとおる角度は
七つ星と甘い水
「魔法のしっぽが見えてるわ」
春の伝播
( 春日部ハル - Tokyo 7th シスターズ )

甘いお菓子で悪魔が釣れる
この声に歯を立てろ
「食べられない悪なんてある?」
これは魔法の堆積
マイスウィートエイプリル
( 逢原ミウ - Tokyo 7th シスターズ )

ひびだらけの、手のひら大の
エディブル・ロゼットを逆さまにして
舌に甘い破片
身につけるタイプの幸福
林檎と桃とカスタード
おやすみなさいをあげてもいいよ
( クリひつホワイトデー / ぎじん課っ!ω! )

プラチナの透明度
手を伸ばせば届きそうな前世
孤独は薄く脆い鱗に似てる
天秤とダイヤモンドと紙の屑
或る獣の清ら
( my splendid knight /
 若王子ルイ - Tokyo 7th シスターズ )

花言葉を束ねた追伸
お砂糖の海で逆さまにして
ドレンチェリーのハート形
花に埋もれて分からなかったよ
はじめて生まれた星よりも
( high sweet lulu /
 臼田スミレ - Tokyo 7th シスターズ )

jeweled rocket
たいくつを燃やす火の味は
この星は撒いても撒いても無くならない
メビウスの七色
お腹が空いたら歌えばいいよ
( the brightest bravery
 / 七咲ニコル - Tokyo 7th シスターズ )

空洞の月をゆく
おまえが完全と言った欠落
その寂焉に嵌る崇拝
偽っても有翼
水面を打った無垢
( dissolve in eden / バディストライク )

銀や虹の色に砕けて降った
ぼくらの頭上に天使はいない
ウォーターシェルター
尊い名の付いた暦
膨らんだ崇拝をせめてお前が踏み潰して
( about a myth / バディストライク )

不可逆が降り積もる
研ぎ磨かれて澄む穢れ
君のよこしまがどうしても必要
ひれ伏すためにあると思う
きらきらの傷口
こんな肌膚に名前を書いて
海をぶら下げて笑った
欠損まで完璧な角度
( say hello to the oracle/バディストライク )

癒されたい孤独なんてない
きみは世界一の化け物
遠く昏い水底にきみは届かない
羽を容れておく器
あなただった雨を好き
( cry for the moon 4 )

輝きを食べて過ごした
全能なる無垢
絵画の孵卵
色が生まれるところを初めて見たよ
正夢の骨組み
( over a wonder / バディストライク )

アクリルの鬣に透けている
在りし胸の空洞
道なりに金色の雨が散って
アトモスフィア・ハーヴェスト
雷鳴が澄むほどの神聖
棘を食べて育つ獣
神さまがうつくしいから大丈夫
泥の海でも君はきれい
( wish you sparkled / バディストライク )

半透明の花々
火傷が模様になるときに
坂道とハレー彗星
お砂糖を百ぺん降らせて
( 季節と季節の間 )

海を燃やして結晶した
天使の温床
珊瑚からダイヤモンドへの階調
( 冬 )

アンチック・ハーヴェスト
くるみと雛鳥
屋根裏部屋には魔女がいて
( 秋 )

曇天にフィラメント
色を選ばず濁っておいで
ジャム壜に星座を透かした
sound puparium
惑う、廻む、発光する
溺れる暗号
リボン代わりに火をあげる
アナナスと野良の犬
泡を指輪に喩えてた
ソーダ水中の野ばら
とげ持つ虹たち
ゼラニウムの液糖
( 夏 )

プリズムと映写機の卵
浅いうつつがふくらんでいく
平らな祝祭
おわかれの薄い輪郭その曲線
ポルカドットの鎌首
逆さまにまばたきをして
( 春 )

やさしさの上澄みの
ここには可燃の種ばかり
嵐の底のやわらかい羽毛
薊が原心中
不毛のよろこびに横たわっている
( cry for the moon 3 )

星の下敷き
にじいろにひかる泥
鍵を持たない莟
慈しみさえきりきりと咬み千切っては
触れられない場所を護ろうとしないで
( cry for the moon 2 )

熱から這い出た水晶たち
影がひとの形をしている訳
輪郭からはみださないで
光るのはわたしの臓腑の滲みだけ
ほかに透ける胸などある?
( cry for the moon )

翡翠緑玉エリキシル
五感に触れる種を蒔く
真珠の粉々
臼歯で愛でる
空気の宝石
( にんにく5題 )

光を燃やす種になる
一千年死んだ猫
裂かれては翔んだ
澄み、奮い、喰らえ、常の罅を泳げ
海と灰が同じに見える
( 岩融乞い )

記憶を埋めるために嫌った
砂のように失っていたい
おまえの不幸がかがやくといい
羽と魚とポルターガイスト
空洞にも花くらい寄越せ
( a murder at the supermarket / 嶋田誠 - ハイキュー!! )

月でも蓮でも臓腑でも
桜は白いと識る
癖字のちょうちょ
寄る辺の憎悪
虫けら宿るガーデンクォーツ
42gでひと束
好き嫌いあいびき
写真の端に紅茶の趣味
半分ずつ憶えれば
傷がまるでイニシャルを彫ったみたい
未来にも死因はただ二つ
「おうらみもうしあげます」を睫毛で
灰か雛のどちらか
負けたふりができる敗北
残り全部で花を買うのだ
指きりで灯る
動物に喩え合おうよ
きみの最初の呼吸を見たのさ
( "I love you" )

この罅の名前は「 」
夜を戴き夜を踏む
賢くはない孤独
( 午前二時で3words )

四季は水流のまねごとをして
ガーデンヴューに鯨の水槽
月は土くれ
獏には上等の綿菓子
傘たちは地図の上
( April candyfloss )

モルタルコスメティック
幽霊の尾ひれ
爪の色が唯一燃えない
脱げば純銀
マイナスラグドール
( put the aglow whammy )

幾千かぞえてもお前のための指
砂礫の遥かに生まれ落ちた
猫睛石と星額
まじないは眠らぬ術
この心音がお前の罵るひとつだよ
( burnable spell / 岩融 - 刀剣乱舞 )

心臓、またの名を太陽
神さまはたてがみに棲まう
模倣は実が生るのに似ている
遮光の殻は甘い
すべての樹の芽は平らな子ども
( sidereal child / ハイキュー!! - 田中龍之介 )

この心音を解いたら眠ってもいい
ふるえを持たない夜の在り処
耳殻が羽のふりをする
欠遺ごと束ねられたいよ
わたしの待つ果てなどない
( 鼓膜にはプリズムを / 菊地原士郎 - ワールドトリガー )

透けるものはみな幽霊
肋骨あたりにいる種火
舌の毒が回るころ
お前に見えない骨のこと
傷とは最も容易い永遠の名
( like a medusa )

化け物たちの恋人
そんな薄い胸で理などと云う
チシャ猫の撒き餌
恐怖も畏怖も愛でたらいい
わたしのかわいい七不思議
( ghost loved by him / 四ッ谷文太郎-四ッ谷先輩の怪談。 )

君に似た薄赤いてのひらを唯一すき
獣のように正しい
陽にも月にも火にもなれる
百年ののち一面の光
鍵あるいは牙
( dear monoceros / 斑目一角-BLEACH )

夜を矯めるため
失望は生命を容れる殻
対の影など有りはしない
林檎と鱗とフィラメント
「夜の上に朝が降り、夜が朝を圧し潰す、いつも」
( neighbor phantom / BLEACH )

羽喰いの鰐
綿布か皮膚
災いの見習い女
燃やすのは山羊のため
英国娘の雛々
( Sir xxx )

木菟が琥珀だった昔
渦は片手に持てるだけ
チョコレートの解熱剤
苔は生すぬるい星
憎悪すら均された砂漠よ
( anokumene st. )

まるい呪詛
襟元に文字のブローチを刺してあげるね
「焼け野原です」「おまえの火です」
あの火がオーロラに見えたの?
憎しみらの傾慕
( a fragment of alicorn )

使われない天国のこと
君も兎も夜叉も金色
オパール智歯
いとおしむべきまひらの子
額白は神さまの痣
( heaven in the womb )

方舟に幽霊も化け物もない
人工舌が流砂を掬う?
籐の蛇
胎に街の脱け殻を持つ
再生体にも水ばかり容れた
( phantomship on my tongue )

虹で首を括れ兎たち
ハローと花とラブレター
君の心臓にこぼれる銀河
カシオペア座に寝っ転がって
退屈じゃ死ねないけどまだ足りないのさ
( yeah yeah yeah for SEBASTIAN X )


失くし損ねて夜になる


非道ばかりが君を救うね


爆ぜる春


心臓に降り積もる


鏤められた閃光をあるく

30cmの流転
生まれつきの円の中
波打つビリジャン
( 君の髪 )

神様の歯並び
海を掲げる
雷鳴の裏
( the moon in the letters )

君と宇宙の公約数
叡智に触れる唇
天球の傾斜
( ひたい )

背骨を通ってゆく神さま
君をとりまく粒子の縁取り
土を撫でて夜は増す
平たい雨を抱いたまま
universe on the finger
( for Masashi Watarai/FoZZtone )

紺と金の喪服
反射光にまじなう
血の通う椅子のささくれ
白チョークを食べたよ
オレンジの立方体
( class room )