April
- 幸福の歩いたあとをゆく
- 心ごと四季に埋もれた
- きみはわたしの透明だから
- 欠損を花で埋める
- 虫喰いのラブリーノーツ
- お耳に春を届けにゆくね
- おそろいの花かんむりで
- 生クリームの波紋
- 胸のひびを手のひらで塞いで
- ハート形だった鱗粉
- 花畑と地続きの国
- わたしの夢を甘やかすから
- here is our music.
- それぞれのやさしい神さま
- わたしたちは砂の番い
- 綿と羊の群生地
- 居る夢の尊来
- 永遠はいらないものの集合体
- 幻を分け合う
- 吸っても吐いてもノスタルジー
- モンスター・スパークル
- 色水とキャンバスフラワー
- あなたには感染らない錆
- 名入りの幸い
- 不在彩色
- まばたきでつくる魔法
May
- 穴あきのよろこびをはんぶん
- 15cmの未来の余白
- 触れられるための砂漠
- きみを小鳥にしてあげたい
- 靴底に海を抱く
- 鍵のある湖
- からだに呪文を巡らせた
- 人さし指の北極星
- 希望とはひかる砂礫のようなもの
- 埃に埋もれた雪原をゆく
- リボンみたいな分かれ道
- 火星の裏でも君に会う術
- 陽溜まる幽霊
- 水槽の中のドッペルゲンガー
- わたしからこぼれ落ちた文字群について
- 眠れなくなる歌を歌って
- お祝いに未来をちょうだい
- 火星の裏まで迎えに来てね
- 雨より先に触れていたいよ
- 小指にも薬指にもちょうちょがとまる
- ライオンにはありったけの白い花
- 美味しい春はじめました
- あなたには棘なんてない
- a diva in the box
- 噛みあとを夜が埋める
- 夏の名を持つ恒星
- 惑星の切れ端
- 小指からつながるイエロー
- ぼくらはひとつの水脈である
- ダイヤモンド一粒を世界と思う
- 正方形のパズルピース
June
- 傘の下では音がしない
- この痣は海の破片
- 地底には綿毛の国があってね
- 幸福と星を織る
- かつて光だった鉄くず
- 楽園の鍵量産
- 色違いのアイラブユー
- ひつじが0匹、マイナス1匹
- リボンの嵐をくぐれば前世
- この誉れ高き羊毛の丘
- ポンプフューリー・シンデレラ
- スパイスと魔法陣
- 「死んでいるときの方が長いわ」
- 足すためのお砂糖でしょう
- 胸はきみのかたちに欠けている
- 光らない野生をくれ
- 太陽の掲揚手
- 砂地に銀の鳥の飛来
- 紫陽花は依代と知る
- 獣が入るくらいの箱
- わたしの恋はひとりでに鳴る
- あらゆる光が湧く心臓
- きみの触れた火が柔いこと
- 絶望を入れる穴を掘る
- 折り重なってく明日ども
- 希みの軋む音は甘い
- 小指を括る赤い虹
- このつばさは夜の代わり
- すべての無垢を展げて
- 光を吸って息をしている
July
- きみをいだく余白
- わたしの棘もみがいてくれる
- ヘッドライトを星と思う
- 心がきみの形になる
- その呼吸は羽の類
- 陽と睡りの二層
- 手のひらに夜空が消えない
- 暗やみが割れる
- きみに翼はないほうがいい
- 夢の着水
- 胸にうさぎを囲うのだ
- あなたではない蜥蜴
- 水中都市をワゴン車で
- 海が抜けていくような雨
- 無い心が四季で染まる
- イグアナの双翼
- ばらの花を隠すなら
- 星を這う蟻
- 魚群にUFO
- 恋文以外は透明になる
- ポップワード色相環
- 行間に植物園
- 虹の厚さは0.2mm
- 銀でも白でも月は光るね
- 湖のような無音
- 回転木馬がアクリルジュエルを落としてく
- この朝が出来るだけきれいな色であなたに届きますように
- ぼくらは飛べない怪獣どうし
- 夜をめくる夜
- 下手くそな歌でぼくを救って
- ポケットに入るだけの漂流
August
- 世界が少し窪んでいる
- 金糸とみつばち
- 皮膚に虹を突き刺すように
- 花一輪でほどけてしまう
- 冷凍庫に宝石を
- 電波・モールス・羊飼い
- 雷にも羽根があること
- 未来トンネル
- 流砂に白い鮫を見た
- 砂地の獣に花が咲く
- 頬に天使の通ったあと
- あら野に水彩
- ぼくら音速の色を見た
- 砂まじりの希望が群れる
- 百年続く告白をしよう
- ぎんいろの夜を割いてく戦闘機
- まばたきで積もる惑溺
- 星座にリボンを結んだ日
- 肌膚だけが海の代わり
- オラクル・ビタースウィート
- 星かげの幽霊へ
- リボンを剥がれた桃みたい
- 私は小指の爪に蜘蛛を飼っている
- 毛なみに糖蜜の飾り
- いちごスプーンでわたしを撫ぜる
- 菜の花畑に描いたライオン
- 林檎の皮で冬をくるんで
- 「愛は哺乳類だと思う」
- 「故にわたしは愛のひとりだ」
- レモネード結晶化
- よあけのさめ座流星群
September
- きみは眠りと同じ構造
- 紙は羽ばたき夜をゆく
- オーロラ柄したぼくの呼気
- ゆりかご牢
- わたしの獣にスパンコールのスコールを
- マシュマロシープの王国
- 迷い鯨を放すため
- 薬指とすみれの結晶
- 迷いライオンを抱き締める
- 「好きだよ、星が生まれた日からだよ」
- 花追う魚群
- 広い月の背
- 夜ごとスクリーンに紛れたね
- たばこのため息とオーロラが混じる
- 逆さの宇宙で会いましょう
- 君のための四つ葉の王冠
- 気がつくといつも火星の裏
- 火星の裏の宝石売り
- スパイス女とメイプル男
- 火種蒐集
- たったひとりの幸福の傍
- 虹の量り売り
- 指に悪魔がいる仮説
- "mine"という生きものなのです
- 同じ味した風だった
- 魔法の正しい結び方
- テレポーテーション・シンドローム
- 発火する花
- ワルツで帰ろう
- はちみつ色の毛並みがおそろい
October
- 卵の前は虹か霞
- 空気の花嫁
- 輝きの語源みたい
- 陽を閉じこめておく扉
- 花は焼け僕を轢く
- 天使くらいしかなれない
- 太陽をふたりぶん
- トースト上の宇宙
- 天使に輪っかは二つある
- Cutie C
- 濡れたたてがみを脱いでおいで
- おやすみわたしのちいさな雷
- 蛹が天使になっただけ
- 季節は空気のひとひら分
- flicker's abyss
- ifのジャック
- その空洞を撫でてやる
- 猛獣の毛並みは虫喰いの春
- 白昼夢の溶解液
- とげのはえた陽でくるむ
- 閃光に告ぐ「わたしをみつけて」
- ひかりの欠片を孕んだ日
- 希まれた幼さがころがる
- 化け物の座る星
- 花咲く首輪
- あなたの火はわたあめみたい
- 水晶のなかの死骸
- ポケットには尊厳を
- 常春は透明、猛毒の、
- お部屋に春を放すため
- 牙の前にてフォックストロット
November
- ぼくらの日々は生クリーム製
- 嘗て愛だった砂の上
- 「月を均して分け合おう」
- 胸に回遊する幽霊鮫
- てのひらロゼッタ
- 雨つぶ以上にはほどけない
- 四肢ある卑欲
- 羊のための甘い海
- 幸福は光よりも速く
- サンセットフィズ心中
- わたしたちも雨の群れ
- 崇拝が生まれ変わる
- クロゼットの花舗
- 魔物が燃えて呼吸を摩耗させようとする
- 戦闘機エンゼル
- お家に帰ればケーキの山々
- 捧げるように溶かしたひつじ
- 生み拭う、反復、
- あくた場のお下がりで踊りにゆく
- 水溶性ダイアリーの入水自殺
- 地面が宇宙にさわる時間
- わたしの文字には背骨がない
- フィラメントの発泡
- 完全円は星と星と星と星
- 魔法より従順に仕えてみせるから
- 晩餐は屋根付き国家に一つずつ
- ビニル袋に天使が飛んだ
- わたしの信仰がいちばんでしょう
- 祈り踏む靴底に銀河
- 旱にはライオンの一鳴きと決まっている
December
- どことなく君に似た黒うさぎの祖先
- 次々に神さまが現れて火を置いていく
- 葡萄酒に分離する煙
- 幻獣に囲まれた虫けらの気もち
- 氷原に造花を植えるあそび
- よろこびはもう錆びて動かない
- さっきまで僕を構成していた霞
- メトロの果てに見捨てて行って
- もぐらと蛺を行ったり来たり
- かわいいカトラリーが似合わない
- 昔信じていた朝をつくったひと
- 今はこころの9割がもぐらの中
- たてがみの絡まりでぜんぶ許そう
- 抉れた心をチーズケーキで埋める
- 雨天決行おうちピクニック
- 先生も歌姫も灯台守も同じ泣き方
- 悪魔に産まれ損ねたことだけが心残り
- 流星群より速い獣
- 狭い花入れにシーラカンス
- 刺繍を待つ余白が似ている
- 鎖はメレンゲ製ですし
- 眠っていた花実が目を覚ますこと
- べに百合の冷床
- 竜巻の発生にはレモンが不可欠
- 捧げた祝福で宝冠を組み立てる
- 泥と鉛のワンピースドレス
- 海境で群れていた幸いが還るよ
- 今だけただの飼い古代魚
- キッチンで誉れ高いUFO
- 行間Märchen小品集
- どの万華鏡にもコンフェッティ
January
- 花が咲くまで夜の中
- 希みの結び目
- 羽ペンで種を蒔く
- 「このかんむりはお返しします」
- シグナルの蕾
- 皮下椿
- 星と星の境
- 赤い糸の悪魔
- パラグラフにイルカを放つ
- 落つ帯電サファイア
- 花を編むように指を繋ぐ
- ふたりの歯形でハートを描ける
- 獣が悪夢を轢き潰す
- 生んだ夢で眠れない日々
- シーラカンスの火星遊泳
- 後から後から代謝する余白
- 泡あわの人魚さま
- あなたの放つまぼろしを食べたい
- ただひとりの真冬であるように
- 並べ替えると祝福になる刺繍
- 耳を澄ますとスープが歌う
- きみの胸に日夜発着する宇宙船
- 陽をとじる鍵
- なみだで爛れる
- 呪いのように繰り返す信仰
- ばらの火種
- 永遠をふり撒いてしまう
- 苺を囓るための行列
- 夢の底の双魚
- ハートマーク七変化
- ひび割れたら羽になる
February
- 過ぎた青を掬い上げる
- orphans' crown
- バクに捧ぐマシュマロクリーム
- 星を抱えていらっしゃい
- 出来るだけ重くて甘い凶器を持って
- カスタードクリームの不義理
- ここにも降る天使の糸
- 胚として蝶を結う
- 五線譜に並べる七つ星
- 色彩が地中で燃える
- 子恐竜と人魚の娘
- 齧った端からユニバース
- 火を愛でる難儀
- 正しくおさな子の眼をしなさい
- 患えば常春の国
- グロッケンだけがいつも跳ねる
- サイダーが文字だとしたら
- 手のひらでは触れられない手紙
- 重ねた春が深くなる
- ぼくたちに相応しい符号
- 修羅と土砂降り
- 「きみはアンテナ視えるひと?」
- 天使が孵るアスファルト
- 肺に浸すウインド・ブルー
- オーバー・ドライブの祝い子
- 花結び百選
- 春の高度
- 致死量の淡い呼吸
March
April