あなたのいない雨上がり

あなたがいないから会いに行く

にこごり(http://stbn.web.fc2.com/nikogori/)様の「あなたのいない雨上がり」というお題を元にした 企画に投稿したお題です。
「あなたのいない雨上がり」というお題を使用の際はにこごり様の規約に従っていただくようお願い申し上げます。
あ あおく澄んだインフェリア あ
な 夏の切れ端を撫でていたい い
た 台風を乗せて歌うメトロに に
の 望んだ宇宙を全部あげたい い
い 色違いで抱くハートマーク く
な 泣いていてもきみは鮮やか か
い 息をする度絡まるオーロラ ら
あ 雨夜の星が落ちきったとき き
め メトロポリスに虹を逃がす す
あ あなたにわたし大の空洞を を
が ガラスに似た切なさの粒子 し
り 離陸するように抱きしめて て

his twilit hyaloplasm
you sleep you
darlin' umbra
reach a blank
aurora's scratch
neighboring nightmare
grayish stars fall
end of your blink
a girl sinks in the air

nobody's hydrangea
きみの曳いた薄い海
リキッド・メランコリ
色彩という皮膚のこと
「キスみたいな足音になる」
濡れたアイスクリームみたいに花柄
あれは砂地のコンフェッティ
わたしいっぱいに注がれた透明
地下に染みてゆくべに色
頬を撫でていた空白
月よりも昏いなにかを忘れた
耳朶を咬むオーロラの匂い
希釈されている輪郭
この天国はもう晴れない
なみだでしびれたままでいたい
夏をめくるにはあと七色
掠れたまま動かない花火
小指が乾くまでの間わたしは天使
膨らむ星を宥めにおいで
アイラブユーが湿気ってしまう
迷子の海も踏みつけにして
「雷にイチゴの味はしないの」
雨籠
虹腐し
非飛行性
灰から宿る
水晶製の砂漠
いらないひなた
サイダー・トワレ
なめらかな嫉妬たち
揮発性セレストブルー
陽の溜まりを跳ね上げて
この窮屈を光に喩えないで
いつか僕らひとつで魚になる
神さまがいなかった真昼のこと
1. 欠けた不幸せを補うように
2. 背びれは神さまだった頃の名残り
3. 絵の具を溶くために泣いてるの
4. 淡くなるばかりのコールミー
5. なにいろだったら触ってくれる?
6. 水びたしの三拍子
7. 羽のかたちに汚れている
8. 街をすこし濁らせた鱗粉
9. 花を乗せたことのある電車
10. 蒸留される無音
11. 海を含んだスカートでまわれ
12. マーメイド・スクリーン
13. 天使の輪っかは食べられたのに
14. 種まきには向かない生きもの
15. バウムクーヘン由来の魔術
16. 埋めてもらいたかった青がもうある
17. 「どうしても名前をはじくの」
18. きみの影から落ちていく流星群
19. 6月のゆうぐれは春の色
20. 1秒ごと雲になる愛だったもの
21. 輪郭のない告白たちよ
22. 街路に横たわるフォーチューン
23. 泡あわと自由の薬指
24. けものになって、こころになって
25. どこにもいけない野ばらのままよ
26. 錠剤をこぼしたような水玉の上
27. はだしに結んでくれたリボンが迷子
28. くじらだったら雪にも見えたけど
29. 無味無臭の歌詞をうかべる
30. squall in the freezer
31. うそつきにつけるロゼット
32. かなしくなれない欠陥がある
33. 無地の爪でビニール傘で
34. つぼみのままでいてほしい陽
35. チェリーもレモンも実るのに
36. 二倍食べられるバースデーケーキ
37. 台風を隠したワンピースがゆらゆら
38. 沈没しているジュエリーボックス
39. 空っぽのものだけ何度も巡るね
40. レコードのノイズが埃のにおい
41. 波のレースを踏んで歩いた
42. 足跡がないのでわたしは天使
43. みなものような常夜灯
44. 呪いのように脱げなかった光
45. 覚醒を打つ空砲(5 a.m.)
46. 空耳が剥がれてしまうよ
47. 脆い脆い桜のにせもの
48. プリズムを拭ったあと
49. 災い以外愛さなくていいと言ったのに
50. ghost step
51. 朝と眠たいが燃えるグラデーション
52. お皿の五線紙を前に泣く
53. わたしは水たまりを生み出す女神?
54. お砂糖で出来た鍵だったから
55. 羽と天鵞絨をもう見分けられない
56. acrylic earth
57. あなただった夜が鈍くなる
58. 見えなくなるまで息が甘かった
59. 帚星とかいう滅び
60. 98色のパレードをただ見ていた
61. 代用の太陽として正しく腐る
62. 昨夏ダイヤモンドだった穢れ
63. 皮膚だけに真冬を残して
64. 水槽に捨てたオラクル
65. 「濡れてなくても読めなかった」
66. 「手紙にはお祈りだけ入れてた」
67. 「どの無色透明がきみだった?」
68. むかしシロップだった毒
69. これは泳いで渡れない軋み
70. わたしとサイダーの中間くらい
71. 雨が燃えたらすみれの色
72. 夏をしまっていた目蓋が開いてしまう
73. monochrome euphoria
74. 振れば鳴るブルー
75. カレイドスコープ畑の余白
76. 泥で織ったチュチュ
77. きみのなみだに刺繍をしたの
78. 黒髪の銀河
79. 10000通りの旱
80. グロッケンシュピールの雨止み
81. ビニルの毛並みを脱いでもいいのに
82. まばたきには重いグレー
83. 花片から輪、輪になって
84. つばめつばめ、宇宙のつばめ
85. いちごのかんむりは蒸発しました
86. センチメンタルの標本
87. 夢の比重が傾いてゆく
88. かさぶたから海月が孵ったら
89. 香水瓶をひっくり返したみたいな嵐
90. 砂時計から芽が出ていました
91. ここは借り物の水底
92. 光らない骨で生きられない
93. すべての雨を奪って白くなる月
94. 行間に潜っていくイルカ
95. 花束から溶けていく
96. 逃げたオーロラをきっと連れて
97. ふたつの目では銀色にならない
98. 天の川に似ている煙
99. 仄日の浮標
100. わたしのいない青色の下