十の指から滲み出たい
鎌首擡げる血の管が
目と耳以外にお前はいない
かつての棲み処も春は来ますか
喰らえどお前になれはしないし
肚に降り積もる雲英を名に持つ
私に永遠を患わせたのに
おまえの捨てた枕木を背骨に
眠る間だけ化けていた
何を重ねても鬼
細胞ひとつまで幻獣
海のほかに溺れるもの
ばらやひとみじゃ美しすぎる
美しいのは賤蔑だけにして
背に羽など見ていると思うの
「美しい」が辞書にいない
業だったら来世まで持って行けた
わたし以外の災厄など許さない

evil adoration
呪    詛